報告者 : 作田隆義 < SUZUKI GSX-R750 > 今回のダンロップ新型タイヤ「スポーツマックスGP」は、209GPの後継機種であり、サーキットでのポテンシャルを高めたタイヤだと聞いています。 まず、皮剥きを兼ねてゆっくりとコースイン。ジムカーナではタイヤウォーマーは使えないのでゆっくりとタイヤを温めます。 しかし、15分以上走っても グリップ感が得られません。 と、言うよりグリップが上がってきません。 (気のせいか?)と気合を入れて走ると、一気にグリップを失ってしまいます。 触ってみると、とても15分走ったとは思えないほどの表面のゴムが硬いままです。 これは209GPのミディアムより硬い殆どハードです。 また、一度冷えた後の再走でのグリップは更にひどくて 軽くバンクした瞬間転んでしまいました。 正直これがソフトタイヤとして発売する事が信じられません。 ジムカーナは当然、サーキットでもタイヤウォーマーを使わないライダーは沢山いると思います。 そんなライダーはコースインした瞬間、転んでしまうと 思います。 とても危険です。 低温状況に対応するはずのソフトタイヤがここまで硬い意味があるのでしょうか? ミディアムやハードが上に存在するなら、もっと柔らかい低温に対応したタイヤを作れないものでしょうか? 他メーカーのソフトタイヤは、 3〜5分の走行で安定したグリップ力が得られることを考えると、やはり「硬い」としか言いようがありません。 フロントのハンドリングなどはニュートラルで非常に良い感じを得ているだけに、勿体無い感じがしました。 今後の進化に期待しています。
報告者 : 志賀吉信 < HONDA CBR600F4i > 走り始めですが、タイヤの皮剥きが済んでいない冷えた状態では全くグリップせず、コントロールが効きません。 ピットからコースにたどり着くにも非常に危険を感じます。 徐々にペースを上げますが、なかなか温まりません。 ジムカーナで使うにはベストな状態まで 温まらないようです。 ハンドリングはニュートラルでタイトコーナーや回転入り口でも急に切れ込む事なく素直なハンドリングです。 コーナー進入では、リアタイヤからマシンをバンクさせてくれてFタイヤとの相性も良く、安定して深いバンクでのコーナリングが可能です。 ただ、 グリップ力は弱く コーナーの進入時のFタイヤにはかなり不安感があり、リアタイヤもバンク中に加速しようとすると簡単に滑り出し 非常に危険を感じます。 ジムカーナ競技に使用する場合、今までテストしたストリート用タイヤの「α10」・「クオリファイヤー」・「BS002ストリート」より このレーシングタイヤの スポーツマックスGTで自分が競技に出場した場合、『B級タイムの105%を切る』のは厳しいと思います。 最後に自走の場合、冷えた状態での公道走行は非常に危険です。
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報告者 : 作田隆義 < SUZUKI GSX-R750 > 今回は旧型の002と新型の002PROのフロントタイヤの比較をテストしました。 本来ならこの気温ではソフトタイヤだと思われますが、新型がミディアムと 言う事で合わせて旧型もミディアムでのテストです。 今回のタイヤの大きな違いはケース剛性で、コンパウンドには大きな違いは無いと聞いています。 旧型でも素晴らしいポテンシャルだったので期待が膨らみます。 旧型でのテストを終えていよいよ新型タイヤのテストです。 まず皮剥きの為にゆっくりと 8の字をかきます。 ん?これミディアムですか? と疑いたくなるほど最初から不安がありません。 直ぐに温まりペースも上がります。 この温まりの早さはジムカーナライダーには嬉しいですね! 皮剥きも終り気が付いた時は、旧型に比べフロントが切れてくるのが軽い事! それも 不無く一気に切れてきます。 スルスルと転がって8の字や、回転が非常に楽に感じました。 次にスラロームです。 スラロームでもニュートラルで軽いハンドリングは変わらず安定した旋回力で 車体も安定しています。 バンキングはとても軽く、フルバンク中の安定感や グリップ力も満足できる内容です。 旧型と比較して特に進化したと思えるのは、ブレーキを強く残したままのバンキング。 全くヨレル事なく進行方向に スムーズにタイヤが向きを変えてくれます。 また、高過重での旋回中のギャップ吸収力も向上したようで、旧型では時々滑って不安だった所を スムーズに通過していました。 これは剛性アップしたケースのお陰ですが、同時にしなやかさも兼ね備えているところが素晴らしいです。 今回のテストでは非の打ち所が無いように感じるほど素晴らしいポテンシャルを魅せてくれましたが、欲を言えばもう一つ上の強力な旋回性が欲しいなと 思いました。しかし、考えてみればこのタイヤはミディアムでした。 ソフトであれば より強い旋回力を得て よりしなやかさも得られると思います。
報告者 : 志賀吉信 < HONDA CBR600F4i > この季節にミディアムコンパウンドでのテストでかなり不安でしたが、ツーリングタイヤのように走り出せ、ウォーミングアップも早く完了しました。 グリップ力は強力で、Rはフルバンク中に無理にパワーを掛けてもスライドしにくく、マシンをどんどん前に進めてくれます。 ただ、限界を超えた時に 突然スライドする感じがあります。 フロントのグリップ力も強力で、F4iの車体が接地するほどのフルバンクでもコントロールが自由自在です。 フロントも限界を超えると突然スライドしますが、ダンロップのD209GPソフトと比較してもグリップ力は上回っています。 剛性もしっかりしています。 タイトコーナーや回転入り口など、変に潰れる事も無く、どんな状況でもニュートラルなハンドリングです。 ダンロップD")GPソフトとタイムアタックの比較を しましたが、002PROの方が タイム比で2.5%速い結果でした。
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報告者 : 作田隆義 < SUZUKI GSX-R750 > ★フロントタイヤ ホイールに取り付ける以前に触った時は、今までに経験の無い位「硬さ」を感じ、それはとても不安を感じるものでした。 しかしそれは、走り始めて直ぐに 間違いだった事に気が付きます。 最初のイメージとは違い「シナヤカさ」を感じるほどでした。 段々とウォームアップをしていくのですが、 最初から十分なグリップ力が得られていて、安心して走り始める事ができるタイヤです。 走行を始めるとバンク初期の軽さ そしてステアレスポンスの 速さに気が付きます。 これはジムカーナにおいて大多数のライダーには「切れ込み感」として感じる事になるでしょう。 特にピッチングモーションの大きい マシンやライディングをした場合は、極端に現れるかもしれません。 そして、一度バンクが安定してしまうとステアは逆に安定する方向になります。 旋回角度の大きいジムカーナでは旋回途中から「ハンドルを切っていくのが難しい?」とか「自由度が無い?」と感じるかもしれません。 いままでに使ったタイヤと比べ、明らかにハンドリングに癖を感じるタイヤです。 しかし、この両方の特性を上手く生かせたマシンセッティングが出来れば、 速い旋回から安定したフロントを利用して早めにアクセルを開けていく走りで タイムを詰めていく可能性を感じるタイヤです。 また今回の走行で アブレーションが荒く出てしまった事や剛性バランスを考えると、KOではなくK1の もう少しゴムが硬くケース剛性の違うタイヤの方がジムカーナには 合うかも。とも思いました。 ★リアタイヤ レンスポルトの時から「特性」は気に入っていたのですが、レーステックもやはり素晴らしい特性を持っていました。 グリップ力は今のハイグリップのタイヤの 標準的なグリップ力だと思います。 しかしそれ以上に、滑り出してからの安定感・コントロール性が素晴らしく、この辺りは他メーカーに一歩リードしている ように思います。 走っている時の感覚は横に滑るのではなく、進行方向斜め前に滑っていく感じなんです! その為に旋回力を高めながら加速していく 感じがします。 またグリップが回復した瞬間も大きく振られるような事も無く 次へのアプローチも楽でした。 ただこのタイヤもKOと言う事で 「少し柔らか過ぎる」点でアブレーションが荒く出てしまっていました。 ベストタイム ◎レーステック = 1分28秒2 ◎D209GP = 1分27秒1
報告者 : 高橋美千代 < HONDA CBR600F > フロント=レーステック(KO)・リア=レンスポルト(RS1) の組み合わせでテストしました。 当初「KO」と言う事で多少ソフトなイメージがありましたが、 組み付ける前のタイヤを触ると意外にもカチカチで凄く硬いタイヤでした。 皮剥きをする為に軽く走行。 皮剥きに要する時間は002やRS1と同じくらい でした。 8の字の旋回中や回転時の安定感は悪くなく 特に回転について言えば付いた舵角が戻る事なく安定するので、むしろ「やり易い」印象でした。 グリップ感についても、もの足りなさは全くなく、取り付ける前の「硬いイメージ」も実際に走り出すと全く感じませんでした。 また、ソフトタイヤ独特の 走り込むとタレる感じやグリップし過ぎて転がらない・・・という感覚も この日の気温では全く無く、リアタイヤのRS1との組み合わせも 特にバランスの 悪さは感じず、フロントのほうが柔らか過ぎる と言った感触はありませんでした。 多少スピードが乗るようなオーバルでは、 こういうコーナーを得意とするタイヤだけに旋回中の安定感があり良かったです。 ただ、私的には1ヶ所だけブレーキングで舵角をコントロールするターン では、若干扱い難い部分を感じました。 002は、フロントブレーキの入力量に応じてタイヤに舵角が付いてくれるイメージが有るのですが、 レーステックはタイヤ自体が自ら曲がって行こうとする感じがしたので、ターンであまりブレーキは使わず、タイヤの動きを邪魔しない様、 フロントブレーキをソフトに使って走らせました。 ブレーキを掛けなくてもフロントタイヤに適度な舵角が付き易く、その状態が安定する為フロントブレーキを あまり使わず(使えず)走るタイプのライダーに向いていると思います。 切り替えし等も 重さを感じる事はありませんでした。 ベストタイム ◎レーステック = 1分31秒7 ◎002 = 1分29秒5 002でセッティングされている状態にレーステックをポン付けで走らせてみた結果なので、このタイヤの特性を引き出せる様セッティングを煮詰めていけば、 ジムカーナでも可能性を引き出せる様な気がしました。 「KO」のコンパウンドに関しては、同じ条件で走行していた作田選手にはアブレーションが 出ていましたが、私は出る事は無く、特に問題はありませんでした。
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報告者 : 作田隆義 < SUZUKI GSX-R750 > 今回はスポーツマックスGPの新型ソフトタイヤのテストをしました。 前回モデルは 「コンパウンドが硬く、ケース剛性も非常に硬かった為、 タイヤ温度が上がらない状態で、ジムカーナでの使用は厳しかった。」 という結果に対して、今回は 「ケース剛性も下げ、コンパウンドも柔らかめの物を 採用しているらしい。」 と聞き期待をもってテストに入りました。 ※ 1回目のテストは気温が30℃以上ある真夏でした。 コンパウンドはしっかり溶けて、グリップも十分! それに対して、硬すぎず・柔らかすぎず、ケース剛性のバランスは素晴らしく ジムカーナのインパクトの 強いフロントタイヤへの荷重を受け止めながら、タイヤは前へ前へと進んでいきます。 それは002以上のポテンシャルを感じさせるものでした。 また評価出来るのは その対磨耗性でした。 かなり長い間走っても、ボロボロになる事はなく、凄く長持ちするタイヤでした。 002並のポテンシャルと、経済性を併せ持った素晴らしいタイヤに思いました。 ※ 2回目のテストは気温25℃以下の状況でした。 コンパウンドは溶け難くなり、ケース剛性の高さが目に付いてきます。 バランス的にグリップ不足になってしまい、旋回力を強める前にアンダーが 出てしまいます。 怖くて走れないと言う程ではないのですが、タイムを詰めようとすると厳しい状態でした。 ※ 総評 新型のポテンシャルは、大変素晴らしいものがあり、十分に勝てるタイヤだと思います。 しかし、それは真夏の30℃近い状況での事。 タイヤウォーマーの使えないジムカーナでは、高次元のバランス域までコンパウンドの温度を上げられず、厳しい状況になってしまいました。この先、 ジムカーナで勝てるタイヤにする為には、更なるスーパーソフトが必要である事は間違いないと思います。また、それにマッチしたリアタイヤも必要です。
報告者 : 志賀吉信 < HONDA CBR600F4i > BS002ソフトでセッティングをしたCBRに、SPORTMAX GPソフトをセットし、走行しました。 走り出して初めに車体の姿勢が前上がりに感じます。 その影響でフロントの接地感に不安がありました。 姿勢を前下がりにセッティングすると・・・、 接地感が出るのですが、ハンドリングが切れ込むようになり この兼ね合いが難しいようです。 コンパウンドは209GPソフトと同じような硬さで、BS002ミディアムより少し硬い気がします。 グリップ力ですが、低荷重では少し不安がありますが、 荷重を掛けた時などは、タイヤの潰れとコンパウンドの相性が良く、強力にグリップします。 この日の路面温度はかなり高く、連続走行のフィーリングなので、これからの季節で気温が下がり また大会のタイムアタックを考えると コンパウンドの硬さに少し不安を感じます。回転や8の字の転がり抵抗が少なくスピードが乗るのですが、002ソフトより限界は低いようです。 エアーは冷感で2.0ではタイヤが潰れすぎてしまい、ミドルクラスのマシンでは2,1以上が良いようです。 磨耗に関しては非常に良く、BS002ミディアムの倍は保ちそうです。 グリップ力はBS002ソフトには及びませんが、 SPORTMAX GPソフトは全体のバランスが良く、ジムカーナ競技に十分な性能のタイヤだと思います。
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